まほろば事典


た〜と

力士(たじからお)…………この小説におけるヤマト大国の官職名のひとつ。女王の宮室の警護隊長、いわば近衛隊長という意味合いで設定した。「たじからお」は日本神話に登場する力持ちの神タヂカラオノ命からとったが、このことばは頑健で力強い男子を意味する普通名詞としても使われるようになった。「男」という文字を分解するとまさに「田・力」になるが、そういうことではなく、この「タ」は「手」のことではないかと推察される。「手の力の強い男」というわけである。

ツマ…………魏志倭人伝に「投馬国」と記された国を、この小説ではこう呼ぶことにしている。「南、投馬国に至る水行二十日」とあるが、他の国々が里程で書かれているのに対し、ここだけは「水行何日」と異質の書き方をしているため、論議の的になってきた。有名な西都原(さいとばる)遺跡のある宮崎県の妻(現在の西都市)ではないかと言われている。だとすると本文に書いたように、邪馬台国(ヤマト大国)が狗奴国(クマ)との対抗上、狗奴国の領域に近いこの国を傘下に納めたのだという可能性が高い。

トキ…………魏志倭人伝に「都支国」と記された国を、この小説ではこう呼ぶことにしている。都支国については、名前が挙げられているだけで、国の有様や位置については全く記述がない。この小説では、ヤマト大国の統治下に属し、東側が海に面した半農半漁の小邦という設定にしてある。