忘れ得ぬことども

占星術

 手相とか字画とか血液型とかの運勢・性格判断って、あまり信じていないのですが、話題としては面白いですよね。
 血液型なんかになると、人間をそんなに大ざっぱに4分類できるわけがなかろうがぁ! と、私は大変懐疑的です。しかし、B型の知人から
A型の人は、そう主張する人、多いよね」
とあっさりいなされ、ぎゃふんとなったことも。
 名前の字画については、以前そういう本を読んでみたら、「軍師タイプ」と出ました。確かに私は、トップにたってぐいぐいひっぱってゆくより、ぐいぐいひっぱる人の側にいてあれこれ口を出すのが楽しい方です。世間的名声や富を得るよりも、自分の能力を最大限発揮して納得のできる仕事をしたいと考えるのが「軍師タイプ」でしょうから、言われてみればそうかな、とも思ったりします。
 占星術だけは、信じると言うよりも興味を持って、何冊かの本を買って勉強してみたことがあります。
 いわゆる「星占い」で、牡牛座とか射手座とかに12分類して雑誌などに載っているのは、初歩の初歩と言うべきで、実際には2000年近くに亘って研究され体系化されてきた「学問」ゆえ、かなり奥が深いようです。
 ちゃんと占うためには、まず自分の生まれた時刻に、太陽・月・そして8つの惑星がどの星座に位置していたかを割り出し、その人固有のホロスコープを作成しなければなりません。個人の運勢などは、すべてこのホロスコープから算出されることになります。
 私は乙女座ですが、この「私は乙女座」の意味は、私が生まれた時刻に、太陽が乙女座の位置にあったということです。
 乙女座という星座、たいていどの占いを読んでも、
事務員、銀行員などに向いている」
などと書いてあって、音楽家に向いているなどと書いてあった試しがありません。
 そんな堅実な職業に向いている自分が、なぜ音楽家などとやくざな商売をやっているのか、不思議に思っていましたが、ホロスコープを作ってみて納得(?)しました。
 太陽と同じ乙女座に、冥王星が居るのです。冥王星は、天文学上では測定するたびに半径や質量が小さい方へ修正されるという、なんとも心許ない星なのですが、占星学上ではおそろしく強力で、太陽を含めた他の惑星の影響をご破算にしてしまうほどの威力を持っています。この冥王星が、私が本来太陽から与えられていた緻密で堅実な性格をぶちこわしてしまったに違いありません(^o^)
 また、もかなり強い影響力を持っているそうです。雑誌の星占いなどで、どうも自分に当てはまらないという場合が多い人は、自分の月の星座(生まれた時に月がどの星座にあったか)を調べて、その星座の項目を読んでみると、意外に当たっていることが多いと言います。
 占星術は究極の経験則と呼んでよさそうなもので、科学的な裏付けは何ひとつないのですが、戯れに友達のホロスコープを作ってやって性格や運勢を算出してみると、面白いくらい当たっていたりして、しばらくその話題で盛り上がることができます。
 ホロスコープを作成するのは、最近ではそのためのコンピュータソフトも安く出ていますから、簡単にできます。
 占いに人生を左右されるのは愚かな話ですが、どうも何をやってもうまくゆかないような時期、ホロスコープを見て、「今はそういう時期なのだから仕方がない」と思うだけでも、かなり気が楽になるのは確かです。皆さんもご自分のホロスコープを作ってみてはいかがでしょうか。

(1998.3.7.)

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